トリの日記

性別がよくわからないまま生きてきた人。LGBTでも生きやすい社会を。

「甘じょっぱい」の構成要素

私は、チーズを食べに行く友人グループを持つくらいにチーズが好きだ。

 

そのグループでは、チーズのお店を発見次第チェックし、情報共有がされる。特にチーズリゾットまたはブッラータがメニューのラインナップにあるお店があればまず間違いなく食事会を催行し、たらふくチーズをたべる。

 

先日もチーズを食べに行き、クアトロフォルマッジ(4種のチーズのピザの蜂蜜がけ)を食べた。

 

青カビのクセのある風味が際立つチーズの塩気にはちみつの甘さが加わると、脳天にガツンとくる衝撃的な美味さになる。カロリー爆弾のような食べ物だとは分かっていながらも、ピザの数切れなど吸い込むように食べてしまう。

どうしてこうも、甘じょっぱい食べ物というのは後を引いてしまうのか。よく考えると、甘いとしょっぱいの同居を美味いと思うのって不思議じゃない?

 

元々、日本の家庭料理は醤油やみりん、砂糖が使用されることが多いので、我々の舌は甘辛い味付けに慣れているところがある。人から聞いた話だが、海外では日本の料理の味付けと言えば甘辛の「テリヤキ」味が有名だという。確かに、以前にアメリカに行った時、日本料理を掲げるお店の看板や外壁には、「Sushi」に次ぐ確率で「Teriyaki」と書いてあったように思う。

では、日本ではない国、例えばヨーロッパ圏で甘じょっぱい料理がないのかと言えばそんなことはない。上記のようにチーズに蜂蜜をかけるとか、ベーコンとメープルシロップなんかも、パンケーキやマフィンとセットで食される。以前、フランスの家庭料理を食べさせてくれるお店で、フォアグラのパテを甘いパンにつけて食べるというのをやったことがあるが、それはそれは夢のように美味しかった(おいし過ぎてその後ほんとうに夢に出てきた)。だから、海外の人にとっても甘じょっぱさは美味さであり、日本のテリヤキ味も取り立てて新鮮というほどのものでもないのかな、とも思う。

 

ただ、ヨーロッパ圏の甘じょっぱい食べ物に関しては、日本のように甘味と塩気の2要素だけではなく、甘味、塩気、脂(動物性の脂が多いと思うのでこの漢字にした)のうまさの三つ巴の「甘じょっぱい」で構成されている事が多いようだ。

もちろん食文化全体において油の使用量や比率が異なるのは当然だが、上記のクアトロフォルマッジのように、脳天にガツンとくるうまさは明らかに脂の役割がなければ成り立たないし、元々の日本の食文化にはそう多くないものだったのではないか。そばやうどんのつゆ、煮物も甘じょっぱいけど油は入らない事が多い。すき焼きも文明開花の味だし、昔からある料理で動物性の脂と甘じょっぱい組み合わせってうなぎくらい?なお、うなぎも江戸時代後期からみりんによってタレに甘味が加わったようなので、それまではしょっぱい蒲焼きだったと思われる(

https://www.numazu-cci.or.jp/kobetu/ha/fukuya/monoga.htm)。

 

こうやって考えてみると、日本食の甘じょっぱい(甘辛い)、はほぼ醤油と砂糖(みりん)で完成している節がある。塩主体の味付けに強めの甘さを加える例って少ないかもしれない(はちみつ梅と塩麹くらいしか思い浮かばない)。

 

すると、世の「甘じょっぱい」は以下で成り立っていると言えるのかも。

「醤油+砂糖」または「塩+砂糖+脂」。

 

最近は塩バニラ、塩キャラメル、のように甘味を少しの塩気で引き立てる場合もあるけれど、あくまであれは甘味主体だしね。

 

それにしても塩分と糖分と脂、全て揃うと中毒的なうまさだけど健康的には良くなさそう。。

 

「甘じょっぱい」は、適度に楽しみましょう。